BASEの手数料は4種類ある

BASEでかかる手数料は4つです。売れたときに引かれるものと、売上金を口座に移すときに引かれるものに分かれます。この2つを混ぜて考えると、計算が合わなくなります。

手数料いつかかるか金額(スタンダードプラン)
決済手数料商品が売れたとき注文合計の3.6%+40円
サービス利用料商品が売れたとき注文合計の3%
振込手数料振込を申請したとき一律250円
事務手数料振込を申請したとき申請額2万円未満は500円、2万円以上は0円

決済手数料とサービス利用料は注文ごと、振込手数料と事務手数料は振込申請ごとにかかります。つまり注文が増えると前の2つが増え、振込の回数が増えると後の2つが増えます。性質がまったく違うので、節約の打ち手も別になります。

金額の出典はBASEの料金プランページと、BASEヘルプ「振込申請時に手数料はかかりますか」です。以下の金額はいずれも2026年10月時点の記載で、料金体系は予告なく変更されます。契約前に公式ページで確認してください。

注文が入ってから口座に入金されるまでに引かれる手数料 注文が入り発送して対応済にすると売上に計上される。この段階で決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%が引かれる。残った売上残高から振込を申請すると、振込手数料250円と、2万円未満なら事務手数料500円が引かれ、申請から10営業日で入金される。 注文が入る 商品代金+送料が購入者から支払われる 発送してステータスを対応済にする ここで初めてショップの売上に計上される 1回目に引かれる(注文ごと) 決済手数料 3.6%+40円 サービス利用料 3% 売上残高から振込を申請する 2回目に引かれる(申請ごと) 振込手数料 250円 事務手数料 500円(申請額2万円未満のとき) 申請から10営業日で口座に入金される

売上として計上されるのは、商品を発送して管理画面で注文のステータスを「対応済」に変更したときです。注文が入った時点ではまだ売上になりません。入金の時期を読むときは、この起点をずらさないようにしてください。

プランごとの料率と月額

BASEのプランは2つです。公式の料金ページでは、2つの違いは手数料だけで、使える機能に差はないと説明されています。

項目スタンダードプラングロースプラン
月額0円年払い16,580円/月払い19,980円(いずれも1か月あたり)
決済手数料3.6%+40円2.9%
サービス利用料3%0円
注文ごとの合計6.6%+40円2.9%
契約期間なし1か月または12か月から選ぶ

料率の差は3.7%と、1注文ごとの40円です。グロースプランはこの差で月額を回収する設計になっています。どこで回収しきるかは後の章で計算します。

PayPay・Amazon Pay・PayPalは料率が1%上がります

公式の料金ページには、この3つの決済方法では決済手数料にシステム手数料相当額1%が加算されると書かれています。スタンダードプランなら決済手数料は4.6%+40円、グロースプランなら3.9%になります。どの決済方法で売れるかによって、実際の料率は表の数字から動きます。

1注文で引かれる額を計算する

計算で間違いやすいのは、手数料の対象です。決済手数料とサービス利用料は、商品代金だけでなく送料を含めた1注文の合計金額にかかります。送料を購入者から受け取っている場合、その送料にも手数料がかかります。

商品1,000円を3個、送料500円の注文で計算します。注文合計は3,500円です。

  1. 決済手数料を出す

    3,500円×3.6%=126円。これに固定の40円を足して166円です。

  2. サービス利用料を出す

    3,500円×3%=105円です。

  3. 注文合計から引く

    3,500円−166円−105円=3,229円が売上に計上されます。

この注文で引かれた271円は、注文合計の7.74%にあたります。表に書かれた6.6%より1ポイント以上高くなっています。差の正体は固定の40円です。

送料を無料にしても手数料は減りません

送料を無料にして商品価格に転嫁した場合も、注文合計が同じなら手数料も同じです。手数料を基準に送料の扱いを決める意味はありません。送料設定は、かご落ちを減らす観点で決めるほうが効果があります。

実質の手数料率は商品単価で変わる

ここが、料率の表だけを見ていると見落とす部分です。1注文ごとの40円は金額が固定なので、単価が低いほど、売上に対する比率としては重くなります。

スタンダードプランで、送料を含めた注文合計ごとの実額と実質料率を並べます。

注文合計決済手数料サービス利用料合計実質料率
1,000円76円30円106円10.6%
2,000円112円60円172円8.6%
3,000円148円90円238円7.9%
5,000円220円150円370円7.4%
10,000円400円300円700円7.0%
30,000円1,120円900円2,020円6.7%
注文合計ごとの実質手数料率(スタンダードプラン) 注文合計1,000円で10.6%、2,000円で8.6%、3,000円で7.9%、5,000円で7.4%、10,000円で7.0%、30,000円で6.7%。注文合計が小さいほど、固定の40円が比率として重くなる。表の料率6.6%は、単価が十分に高いときの下限にあたる。 注文合計ごとの実質料率 6.6%(下限) 1,000円 10.6% 2,000円 8.6% 3,000円 7.9% 5,000円 7.4% 10,000円 7.0% 30,000円 6.7% 固定の40円があるため、単価が低い注文ほど 売上に対する比率は重くなる

1,000円の商品を売るショップと、3万円の商品を売るショップでは、同じプランでも実質料率が4ポイント近く違います。低単価の商品をまとめ買いしてもらえる設計にできるかどうかが、料率そのものより効きます。単価1,000円の商品を1点ずつ3回売ると手数料は318円ですが、3点をまとめて1注文で売れば238円です。1注文あたり80円の差が出ます。

月に100注文あるショップなら、まとめ買いが進むだけで年間1万円近くが変わります。送料無料ラインの設定やセット販売は、手数料の観点からも意味があります。

プランが逆転する月商は客単価で変わる

グロースプランへの切り替えラインは「月商33万円」と紹介されることが多いですが、この数字は条件つきです。1注文ごとの40円が効くため、逆転する月商は客単価によって動きます。

スタンダードの負担は「月商×6.6%+40円×注文件数」、グロースの負担は「月商×2.9%+月額」です。この2つが等しくなる月商を、客単価ごとに計算しました。

客単価年払い(月16,580円)月払い(月19,980円)
1,000円約22万円約26万円
3,000円約33万円約40万円
5,000円約37万円約44万円
10,000円約40万円約49万円
客単価ごとに見た、グロースプランへの切り替えライン 年払いの場合、客単価1,000円なら月商約22万円、3,000円なら約33万円、5,000円なら約37万円、10,000円なら約40万円で両プランの負担が等しくなる。月払いではそれぞれ約26万円、約40万円、約44万円、約49万円。客単価が低いほど切り替えラインは手前に来る。 両プランの負担が等しくなる月商 年払い 月払い 単価1,000円 22万 26万 単価3,000円 33万 40万 単価5,000円 37万 44万 単価1万円 40万 49万 客単価が低いショップほど、切り替えラインは 手前に来る。月払いだと4万〜9万円ほど後ろにずれる

よく見る「月商33万円」は、年払いで客単価3,000円のときの数字です。客単価1,000円のショップなら月商22万円で逆転し、客単価1万円のショップを月払いで運営するなら月商49万円まで逆転しません。自分のショップの客単価を確かめないまま33万円を基準にすると、判断を2倍近く外す場合があります。

結論

切り替えの判断は、直近3か月の月商と客単価を見てから行ってください。月商が表の金額を安定して超えていれば、グロースプランのほうが総額は安くなります。超えていない月があるなら、スタンダードのままで固定費を持たないほうが安全です。プランは月単位で変更できるため、確定してから動けば損はしません。

BASEの料金プランを確認する →

ただし、この計算には次の章の手数料が入っていません。入ると逆転ラインは変わります。

PAY IDアプリ経由の注文は、プランに関係なく5.9%

ここは競合の解説記事でもほとんど触れられていない部分です。BASEのショップの商品は「PAY IDアプリ」にも掲載されますが、BASEヘルプ「PAY IDアプリ経由の注文にかかる手数料」によると、このアプリ経由の注文はサービス利用料が5.9%になります。

同じヘルプには、この手数料はショップの料金プランとは異なる手数料だと書かれています。つまりサービス利用料0円のグロースプランでも、PAY IDアプリ経由の注文には5.9%がかかります。

注文の経路スタンダードプラングロースプラン
自分のショップ経由6.6%+40円2.9%
PAY IDアプリ経由9.5%+40円9.5%+40円

PAY IDアプリ経由の注文では、BASEかんたん決済手数料3.6%+40円とサービス利用料5.9%がかかります。合わせて9.5%+40円です。注文合計3,000円なら手数料は325円で、実質料率は10.8%になります。

掲載をやめても最大31日間は手数料が発生する場合があります

同じヘルプには、アプリへの商品掲載を停止したあとも、最大31日間は手数料が発生する可能性があると書かれています。グロースプランに切り替えたあとで「サービス利用料がかかっている」と気づく原因になりやすい項目です。切り替え前に、PAY IDアプリ経由の注文がどの程度あるかを確認しておいてください。

グロースプランの月額を回収する計算をするときは、PAY IDアプリ経由の注文を分けて考えてください。この経路の注文が多いショップでは、プランを変えても下がる手数料が想定より少なくなります。

決済手数料は誰が払うのか

「決済手数料は誰が払うのか」は、検索でもよく問われる論点です。答えは分かれます。決済手数料とサービス利用料はショップが負担し、支払い方法ごとの支払手数料は購入者が負担します。

BASEヘルプ「購入者側に手数料は発生しますか」では、購入者側の手数料が支払い方法ごとに示されています。

支払い方法購入者が払う手数料
クレジットカード0円
PayPay・Amazon Pay・PayPal0円
PAY IDあと払い(銀行振込)0円
PAY IDあと払い(コンビニ支払い)350円(税込)
コンビニ(Pay-easy)決済360円(税込)
銀行振込決済360円(税込)+金融機関の振込手数料
キャリア決済300円(税込)

ショップの手数料は売上から自動で引かれるため、別途請求されることはありません。一方で購入者側の手数料は、低単価のショップでは無視できない重さになります。1,000円の商品をコンビニ決済で買うと、購入者の支払総額は1,360円に送料を足した金額になります。商品代金に対して36%の上乗せです。

ここはかご落ちに直結します。かご放棄の理由で最も多いのは「送料や手数料などの追加費用が高かった」で、40%を占めます。低単価の商品を扱う場合は、購入者に手数料がかからない支払い方法を目立たせる設計が効きます。

振込のまとめ方で、年間の手数料が1万円以上変わる

振込手数料250円と事務手数料500円は、振込申請ごとにかかります。料率ではなく回数で決まるため、ここは運用の工夫で確実に下げられます。

申請のしかた1回あたり年間の合計
月1回・2万円以上250円3,000円
月2回・2万円以上250円6,000円
週1回・2万円以上250円13,000円
月2回・2万円未満750円18,000円

月1回まとめて2万円以上を申請する場合と、2万円未満を月2回申請する場合では、年間15,000円の差になります。2万円を超えるまで待ってから申請するだけで、事務手数料500円は0円になります。

  • 申請額は2万円以上にまとめる。事務手数料500円が0円になる
  • 申請の回数を減らす。振込手数料250円は回数に比例する
  • 急ぎでなければお急ぎ振込を使わない。申請額の1.5%がかかる

入金は申請から10営業日です。急ぐ場合は「お急ぎ振込」で最短翌営業日、「最速振込」で最短当日の入金ができますが、それぞれ申請額の1.5%と3%の手数料がかかります。しかもこれは振込手数料と事務手数料とは別です。10万円を最速振込で受け取ると3,000円かかり、通常の振込手数料250円の12倍になります。資金繰りの余裕を作っておくことが、そのまま手数料の節約になります。

なおお急ぎ振込は、初回の振込申請では使えません。一度も申請したことがない銀行口座での申請でも使えません。

海外に売るときに増える手数料

BASEヘルプ「かんたん海外販売について教えてください」によると、海外販売ではショップ側と購入者側の両方に手数料が追加されます。

誰が払うか項目金額
ショップかんたん海外販売利用料商品代金+国内送料の5%
購入者代行手数料商品代金+国内送料の10%(下限500円・上限3,000円)
購入者決済手数料支払金額合計の2〜3%(決済手段により変動)

かんたん海外販売利用料は、通常の決済手数料とサービス利用料に加えて引かれます。スタンダードプランで海外に売ると、商品代金と国内送料の合計に対するショップ側の負担は11.6%+40円になります。この合計が3,000円なら388円で、実質料率は12.9%です。関税は購入者の負担です。

国内向けと同じ価格設定のままで海外に売ると、利益率が5ポイント下がります。海外向けの価格は別に設計してください。

手数料の確認方法とインボイスの扱い

自分がいくら払ったかは、管理画面から確認できます。

  1. お金管理で全体を見る

    売上残高・入出金履歴・振込申請履歴が表示されます。振込で実際にいくら引かれたかはここで分かります。

  2. 売上データダウンロード Appで明細を取る

    このAppを入れると、BASEかんたん決済手数料とサービス利用料を含む売上データをCSVでダウンロードできます。1注文ごとの内訳を見たい場合はこちらです。

  3. 会計ソフトに取り込む

    売上管理 by マネーフォワード Appと売上管理 by freee Appが用意されていて、各種手数料を会計側に取り込めます。

BASEヘルプ「インボイス制度への対応について」によると、手数料はインボイスが発行されるものと発行されないものに分かれます。

扱い該当する手数料
非課税(インボイスなし)BASEかんたん決済手数料、サービス利用料(スタンダードプランとPAY IDアプリ経由の注文)、不正決済保証Appの利用料
インボイス発行対象振込手数料、事務手数料、お急ぎ振込手数料、最速振込手数料、かんたん発送利用料、有料Appの利用料、コミュニティAppの利用料、グロースプランの月額、BASEカードの発行手数料、オプション機能の利用料

購入者に発行する領収書は別の話です

同じヘルプには、ショップが購入者に発行する書類にはショップ自身の登録番号を設定する必要があり、BASEの登録番号は使えないと書かれています。適格請求書発行事業者の登録を済ませているなら、管理画面の設定に自分の番号を登録してください。

手数料はいずれも売上を得るためにかかった費用です。CSVで内訳が取れるので、勘定科目の当て方は顧問の税理士に確認してください。

手数料が重くなってきたときの選択肢

料率が重いと感じたときの打ち手は3つです。順番に試す価値があります。

  1. まず単価と注文のまとめ方を見直す

    1注文ごとの40円は、客単価が上がるだけで比率が下がります。セット販売や送料無料ラインの設定は、プラン変更より早く効きます。

  2. 次にプランを計算し直す

    月商が逆転ラインを安定して超えていればグロースプランに切り替えます。PAY IDアプリ経由の注文を除いて計算してください。

  3. それでも合わなければ他サービスと比べる

    月額を払う前提になった時点で、BASE以外のサービスとも比較対象が並びます。料率だけでなく、移行の手間まで含めて判断します。

3つ目には注意点があります。当社もBASEからShopifyへ乗り換えたことがありますが、商品登録をし直すのが手間でした。料率の差だけを見て乗り換えを決めると、この作業量が見えません。手数料が月に数千円下がるとしても、商品点数が多ければ移行の作業で何日かを使います。

乗り換えを検討する場合は、手数料の差額が年間でいくらになるかを先に出してください。その金額が移行の作業に見合うかどうかが判断の基準になります。差額が年間数万円なら、単価や注文のまとめ方を見直すほうが費用対効果は高くなります。

BASEの手数料を把握するための確認事項

  • 直近3か月の月商と客単価を出し、逆転ラインの表と突き合わせた
  • PAY IDアプリ経由の注文がどの程度あるかを確認した
  • 振込申請を2万円以上にまとめ、回数を減らした
  • PayPay・Amazon Pay・PayPalの注文に1%が加算されることを織り込んだ
  • 海外に売る場合、5%の利用料を価格に織り込んだ

この記事で書かなかったこと

売上金に有効期限があるかどうか、デジタルコンテンツ販売やサブスクリプションの個別の手数料、手数料の改定の履歴については、公式ページで確認できなかったため金額を書いていません。また公式の料金ページには法人と個人を分けた料率の記載がないため、両者で料率が違うかどうかも書いていません。必要な場合はBASEに直接確認してください。