個人のサービス選びは、手数料率と入金の速さで決まる

個人でネットショップを開業するとき、比べる項目は初期費用と月額費用と決済手数料の3つになりがちです。この3つは確かに重要ですが、開業直後にいちばん効いてくるのは、売上が口座に入るまでの日数と、1回の入金で固定で引かれる額です。

理由は資金の回り方にあります。個人の開業では、最初の仕入れを自己資金でまかない、2回目以降を売上でまわすのが一般的です。このとき売上の入金が翌月末なら、月初に売れた分が手元に来るのは約2か月後になります。その間は、その売上を次の仕入れに回せません。月額0円で始めたはずが、在庫を切らして機会を失うという形で損をします。

結論

売れるかを確かめる段階は月額0円のプランで始めて構いません。ただし選ぶときは、決済手数料だけでなく振込1回あたりの固定費と入金サイクルを見てください。月商が10万円を超えたら、月額を払って手数料率を下げたほうが総額は安くなります。

この記事では手数料を公式情報から並べたうえで、入金サイクルまで含めて比較し、乗り換える月商の目安を計算で出します。手続きや税務の話は最後にまとめます。

個人が選べる開業方法は3種類

個人が選べる方法は、自社ショップ型・モール型・専門マーケット型の3つに整理できます。呼び方は記事によって変わりますが、違いは集客を誰がやるかと、顧客データが誰に残るかの2点に集約されます。

型集客顧客データ手数料の水準代表例
自社ショップ型
(ASPカート)
自力自社に残る低いBASE、STORES、カラーミーショップ、Shopify
モール型モールの集客に乗れるモール側に帰属高いAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、メルカリShops
専門マーケット型その分野の買い手が集まるマーケット側に帰属高いCreema、minne

自社ショップ型は手数料が低い代わりに、公開しただけでは訪問者が来ません。モール型と専門マーケット型は買い手が先にいる場所に出す形なので、開業直後から注文が入る可能性があります。そのかわり手数料は、自社ショップ型の月額0円プランより高くなります。

どちらかを選ぶ必要はありません

自社ショップとモールは併用できます。モールで売れる商材かを確かめながら、自社ショップにリピーターを移していくのが定石です。ただし在庫の管理が2か所に分かれるため、最初から両方を立ち上げるのは避けたほうが無難です。

主要サービスの費用を公式情報で並べる

以下は2026年9月30日時点で各社の公式ページに記載されている数字です。税込・税別の表記は各社の書き方に従っています。料金は改定されるため、契約前に必ず公式ページで確認してください。

サービス/プラン初期費用月額決済・販売手数料その他
BASE
スタンダード
0円0円3.6%+40円サービス利用料3%
BASE
グロース
0円16,580円
(年払い時)
2.9%サービス利用料0円
STORES
フリー
-0円5.5%〜入金は通常翌月末
STORES
スタンダード
-3,300円
(年間契約時)
3.6%〜月額契約は3,960円
カラーミーショップ
フリー
0円0円6.6%+30円〜販売手数料0円
カラーミーショップ
レギュラー
3,300円4,950円3.4%〜販売手数料0円
Shopify
ベーシック
-3,650円
(年払い時)
3.55%月払いは4,850円
Shopify
グロー
-10,100円
(年払い時)
3.4%月払いは13,500円
メルカリShops0円0円販売手数料10%決済手数料込み。送料を含む合計額に対して10%
Amazon
小口出品
-100円
/商品
多くの場合5%〜15.4%最低販売手数料は多くのカテゴリーで30円
Amazon
大口出品
-4,900円多くの場合5%〜15.4%同上
Creema0円0円成約手数料10.67%
(税込)
作品・素材販売の場合。決済総額に対して

表から読み取れることは3つあります。

1つ目は、月額0円のプランでも手数料率には差があることです。BASEのスタンダードプランは決済手数料とサービス利用料を足すと6.6%(+40円/件)、カラーミーショップのフリープランは6.6%+30円/件から、STORESのフリープランは5.5%からです。売上1万円あたりでは100円以上の差になります。「無料だからどれでも同じ」ではありません。

2つ目は、モールと専門マーケットの手数料が自社ショップ型の月額0円プランより高いことです。メルカリShopsは10%、Creemaは10.67%で、どちらも送料を含む合計額に対してかかります。送料を商品価格に含めて「送料無料」で売る場合、送料分にも手数料がかかる点に注意してください。

3つ目は、有料プランの月額に大きな段差があることです。BASEのグロースプランは年払いでも月16,580円で、Shopifyのベーシックプラン(年払い3,650円)の4倍以上です。同じ「有料プラン」でも狙っている規模が違います。

月額0円で始めたとき、実際にいくら引かれるか

表の手数料率だけでは、手元にいくら残るかは分かりません。率で書かれた手数料に加えて、1件あたり・1回あたりの固定費がかかるためです。

BASEのスタンダードプランで具体的に計算します。かかるのは次の4つです。

  • 決済手数料 3.6%+40円(注文1件ごと)
  • サービス利用料 3%
  • 振込手数料 250円(振込申請1回ごと、一律)
  • 事務手数料 500円(振込申請額が2万円未満の場合。2万円以上は0円)

率の部分は6.6%で固定ですが、固定費の部分は売上が小さいほど重くのしかかります。客単価5,000円として、月商1万円のときと月商3万円のときを比べます。

BASEスタンダードプランで売上から引かれる額の比率 客単価5,000円のとき、月商1万円では売上の14.9%が引かれ、月商3万円では8.2%に下がります。差の大部分は振込申請1回あたりの固定費750円が占めています。 売上から引かれる割合の変化 客単価5,000円、月1回まとめて振込申請した場合 月商1万円(2件) 引かれる割合 14.9% 手元に残る 8,510円 決済440円/利用料300円/振込750円 合計1,490円 月商3万円(6件) 引かれる割合 8.2% 手元に残る 27,530円 決済1,320円/利用料900円/振込250円 合計2,470円 決済手数料 サービス利用料 振込・事務手数料 差の大部分は振込申請の固定費。2万円未満の申請では 事務手数料500円が加わり、合計750円が引かれます

同じプラン、同じ客単価でも、引かれる割合は14.9%と8.2%で倍近く違います。差を生んでいるのは率ではなく、振込申請1回あたりの固定費です。

ここから実務的な結論が2つ出ます。1つは、売上が小さいうちは振込申請の回数をできるだけ減らすことです。毎週申請すれば固定費は4倍になります。もう1つは、2万円を超えてから申請することです。2万円未満だと事務手数料500円が加わるため、1万9,000円で申請するより2万1,000円まで待ったほうが手取りが増えます。

「実質手数料率」には固定費が入っていません

手数料の一覧に出てくる率は、決済手数料とサービス利用料を足した数字です。振込にかかる固定費は入っていません。月商が数万円の段階では、この固定費が率の差より大きく効きます。

売上はいつ口座に入るか|入金サイクルの比較

手数料を比べたあとに見るべきなのが入金サイクルです。開業直後の資金繰りを決めるのは、この部分です。

サービス売上が口座に入るまで1回あたりの固定費早める手段
BASE振込申請から10営業日振込手数料250円+事務手数料500円(2万円未満の場合)お急ぎ振込は申請額の1.5%、最速振込は3%
STORES通常は翌月末-スピードキャッシュで最短翌日。振込手数料275円+フリー3.5%/スタンダード1.5%〜
カラーミーペイメント当月末日締め/翌月末日入金-早期入金サービスで翌月15日入金
Shopifyペイメント週次か月次を選択。週次は「5日+支払日までの残り日数」--
メルカリShops振込申請による振込手数料200円/回-
Amazon2週間ごと--

表を見ると、入金の仕組みは2つの型に分かれます。

入金サイクルの2つの型 自分のタイミングで引き出せる申請型は、1回ごとに固定費がかかります。締め型は固定費がかからない代わりに、入金日が決まっていて早められません。 入金の仕組みは2つに分かれる 申請型(BASE・メルカリShops) 自分のタイミングで引き出せる そのかわり1回ごとに固定費がかかる BASE:申請から10営業日/250円+500円(2万円未満) メルカリShops:振込手数料200円/回 締め型(STORES・カラーミー・Amazon) 入金日が決まっていて固定費はかからない そのかわり自分では早められない カラーミー:当月末日締め/翌月末日入金 STORES:通常は翌月末/Amazon:2週間ごと 締め型は、月初に売れた代金が届くのが約2か月後になる ケースもある。仕入れの資金計画はここを基準に組む

申請型は、売上が立てばいつでも引き出せます。手元資金が薄いうちは有利です。ただし1回ごとに固定費がかかるため、こまめに引き出すと手取りが減ります。

締め型は固定費がかからない代わりに、入金日を自分で動かせません。カラーミーペイメントは当月末日締めの翌月末日入金なので、月初に売れた商品の代金が口座に届くのは約2か月後です。この期間を見込まずに仕入れの計画を立てると、資金が回らなくなります。

早めに受け取る手段は、BASEとSTORESでは有料です。STORESのスピードキャッシュはフリープランで3.5%、スタンダードプランで1.5%からの手数料に加えて振込手数料275円がかかります。BASEの最速振込は申請額の3%です。急いで受け取ることは、手数料率をもう一段上げることと同じです。常用する前提で選ぶものではありません。

有料プランに切り替わる月商を計算する

月額0円で始めて、いつ有料プランに移るべきか。これは計算で出ます。判断の式は次のとおりです。

  1. 率の差を出す

    現在のプランと移行先のプランで、売上にかかる手数料率の差を求めます。BASEのスタンダードプラン(6.6%)とグロースプラン(2.9%)なら3.7%です。

  2. 1件あたりの固定費を率に換算する

    BASEのスタンダードプランには40円/件があります。客単価5,000円なら0.8%に相当するため、率の差は合計4.5%になります。

  3. 月額を率で割る

    移行先の月額を、この率で割ります。16,580円÷4.5%=約37万円。これが入れ替わる月商です。

この計算を主要な組み合わせに当てはめると、次のようになります。客単価5,000円、年払いまたは年間契約を前提としています。

現在移行先率の差入れ替わる月商の目安
BASE
スタンダード
Shopify
ベーシック
約3.85%約10万円
カラーミーショップ
フリー
カラーミーショップ
レギュラー
約3.8%約13万円
STORES
フリー
STORES
スタンダード
約1.9%約17万円
BASE
スタンダード
BASE
グロース
約4.5%約37万円

STORESとカラーミーショップの決済手数料は「5.5%〜」「3.4%〜」のように下限値で示されています。実際に使う決済手段によって率は上がるため、上の目安も前後します。自分の商材で使う決済手段の率を確認したうえで、同じ式に当てはめ直してください。

月商別に安くなるプランの段階 月商10万円までは月額0円のプラン、10万円から17万円では月額の低い有料プラン、37万円を超えると月額が高く手数料率の低いプランが安くなります。 月商が上がると安いプランが入れ替わる 〜月商10万円 月額0円のプラン。BASEスタンダード、 STORESフリー、カラーミーフリー 月商10万〜37万円 月額が低く率も低いプラン。Shopifyベーシック、 カラーミーレギュラー、STORESスタンダード 月商37万円〜 月額は高いが率が最も低いプラン。 BASEグロース、Shopifyグローなど 客単価5,000円で計算した目安。客単価が下がると境目は手前に動く

注目してほしいのは1行目です。BASEのスタンダードプランは、客単価5,000円なら月商10万円あたりでShopifyのベーシックプランより高くなります。月額0円と月額3,650円の比較で0円のほうが高くなるのは、率の差が3.85%もあるためです。月商10万円は決して大きな数字ではありません。

ただし、この計算は手数料だけを見たものです。ここに載せていないオプションや拡張機能の費用は含まれていません。手数料だけで決めるのではなく、自分が使いたい機能が標準で入っているか、追加費用がいくらかかるかも合わせて確認してください。

1件あたりの固定費を忘れると判断がずれます

BASEの40円/件を無視して率の差3.7%だけで計算すると、グロースプランへの乗り換え地点は約45万円になります。40円/件を入れると約37万円です。客単価が低い商材ほどこの差は開きます。客単価3,000円なら約33万円です。

決済手段を増やすと、実質の手数料率は上がる

比較表に載る決済手数料は、たいていクレジットカードの率です。実際には決済手段ごとに率が違い、揃えるほど平均の率が上がります。

カラーミーショップのレギュラープランを例にすると、公式ページに記載されている率は次のとおりです。

決済手段手数料(レギュラープラン)
クレジットカード3.4%〜
後払い4.0%〜
Amazon Pay3.9%
コンビニ払い165円〜
代引き決済396円〜

他社も同じ構造です。STORESでは一部の決済手段(PayPal、ペイディ、atoneなど)の率がフリープランで6.5%、スタンダードプランで4.6%になります。BASEではPayPay・Amazon Pay・PayPalを使う場合、決済手数料にシステム手数料1%が加算されます。

ここで判断が要ります。決済手段を絞れば率は低く抑えられますが、使いたい決済手段がないと購入されません。とくにコンビニ払いと代引きは、クレジットカードを使わない層のために残す意味があります。ただしコンビニ払いと代引きは率ではなく件数あたりの固定額なので、客単価が低いほど負担が重くなります。

客単価2,000円の商品でコンビニ払い165円を負担すると、それだけで8.25%です。クレジットカードの3.4%より高くなります。手数料を商品価格に含めるのか、手数料として買い手に負担してもらうのかを、開業前に決めておいてください。

最初から全部揃える必要はありません

決済手段は後から追加できます。開業直後はクレジットカードと、商材に合う1〜2種類で始めて、問い合わせや離脱の様子を見てから足すほうが率を抑えられます。

売る商材が決まっているなら、判断は変わる

ここまでは商材を問わない比較でした。扱うものが決まっている場合は、先に確認すべきことがあります。

専門マーケットが向く場合

  • ハンドメイド作品。CreemaやminneはハンドメイドやクラフトのSEOと買い手が集まる場として運営されている
  • 作品数が少なく、まず反応を見たい段階
  • 写真と説明文以外の運営作業に時間を割きたくない

自社ショップが向く場合

  • すでにSNSや実店舗で接点があり、そこから送客できる
  • リピート前提の商材で、顧客リストを自社に残したい
  • 手数料10%前後を払うと利益が残らない価格帯

Creemaの成約手数料は作品・素材の販売で決済総額の10.67%(税込)です。自社ショップ型の月額0円プランが6.6%前後なので、差は4%前後あります。その4%は集客の対価と考えて、自力で集客できる見込みがあるかで判断してください。

商材によっては許認可が必要です。中古品を扱うなら古物商許可、酒類は通信販売酒類小売業免許、食品は営業許可や表示のルールがあります。これらはサービス選び以前の条件で、取得前に販売を始めると法令違反になります。開業前の手続きは別記事に整理していますので、そちらを確認してください。

開業届と青色申告の期限を確認する

サービスを決めたら手続きに移ります。提出期限は書類ごとに違うため、国税庁の記載で確認しておきます。

国税庁のタックスアンサーNo.2090には、次の2つの期限が書かれています。2026年9月30日時点で同ページは令和8年4月1日現在の法令等に基づく内容です。

書類提出期限(国税庁の記載)
個人事業の開廃業等届出書事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで
所得税の青色申告承認申請書原則、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで。その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始等の日から2月以内

期限の案内は改定されます

上の表は国税庁のタックスアンサーNo.2090に現在書かれている文言です。期限の案内は改定されることがあるため、提出前に国税庁のページで必ず確認してください。

青色申告特別控除の金額や適用条件は年度によって変わります。金額をあてにして計画を立てる前に、その年の条件を国税庁の案内で確認するか、税理士に相談してください。

開業届と青色申告承認申請書は別の書類で、期限も別です。開業届の期限だけ確認して安心せず、青色申告を使うつもりなら、承認申請書の期限も必ず確認してください。

サービスを決めてから公開までにやること

サービスの契約自体は数分で終わります。時間がかかるのは、契約後の準備のほうです。順序をつけておくと手戻りが減ります。

  1. 商品ページを1つ作り切る

    全商品を並行して進めず、まず1点を完成させます。写真の枚数、説明文の分量、サイズ表記の書き方がここで決まり、2点目以降の作業時間が読めるようになります。

  2. 送料と配送方法を決める

    商品の重さと梱包後のサイズを実測して、配送方法を決めます。送料を商品価格に含めるかどうかで、表示価格も手数料の計算も変わります。

  3. 特定商取引法に基づく表記を用意する

    返品や交換の条件、支払い方法、引き渡し時期を書きます。返品条件は商材によって変わるため、自分の商品に合わせて書きます。

  4. 自分で1件注文して発送まで通す

    公開前にテスト注文を入れ、注文通知の文面、伝票の作成、発送通知までを一度流します。ここで見つかる設定漏れは、公開後に見つけると顧客対応になります。

  5. 公開して、既に接点のある人に知らせる

    検索からの流入はすぐには来ません。公開直後に反応が取れるのは、すでにつながりがある人だけです。

自宅の住所を出したくない場合

個人で開業するとき詰まりやすいのが、運営者情報の表記です。通信販売では販売業者の氏名(名称)・住所・電話番号が広告に表示すべき事項として定められています。

ただし消費者庁の特定商取引法ガイドには、表示事項の一部を省略できる場合があると書かれています。消費者からの請求があれば遅滞なく書面または電子メールで提供することを広告に表示し、実際に請求があったときに応じられる体制があれば、広告での省略が認められます。

つまり住所や電話番号を必ずページに常時掲載しなければならない、というわけではありません。ただし省略した場合も、請求されたときに提供する義務は残ります。条件の詳細は消費者庁の特定商取引法ガイドで確認してください。

省略できるのは広告での表示だけです

請求に応じて提供する義務そのものは残ります。「そもそも知らせなくてよい」という意味ではないため、提供できる連絡手段は用意しておいてください。

比較表に出ない差

ここまでは公式情報の数字です。ここからは、数字にならない部分を整理します。

1つ目は、サービスの使い勝手は機能一覧ではなく「毎日触る画面」で決まることです。比較表に並ぶ機能の有無は、実際にはほとんど差になりません。差が出るのは、注文が入ってから発送を終えるまでに何回クリックするか、どの画面を行き来するかです。ここは無料プランでも試せるので、契約前に自分で注文を1件通してみることをおすすめします。

2つ目は、入金サイクルの読み違いが最初につまずく点だということです。仕入れを売上でまわす計画にしていると、締め型のサービスでは売上が届くまでの期間だけ、2回目の仕入れが後ろにずれます。この期間を運転資金でつなぐ前提になっていないと、売れているのに在庫が切れるという状態になります。数字の上では黒字なのに手元にお金がない、という形で現れるので気づくのが遅れます。

3つ目は、注文が1日数件の段階でも、1件あたりの手作業は積み上がることです。受注の確認、伝票の作成、追跡番号の連絡。たとえば1件5分かかるなら、1日10件で50分です。開業直後はこの時間を商品撮影や集客に使いたいはずです。選定の段階で「注文が増えたときに何が自動化できるか」まで見ておくと、あとから乗り換える手間を減らせます。

4つ目は、やめるときのコストです。独自ドメインを使えるか、顧客データと注文データを書き出せるかで、乗り換えや撤退の負担が変わります。始めるときは考えにくい話ですが、出口が用意されているサービスを選んでおくと、判断を後から変えられます。

開業前に決めておくこと

サービスを決める前に確認する項目

  • 3か月後に見込む月商。これが月額0円か有料かの分かれ目になる
  • 想定する客単価。1件あたりの固定費が率にどう効くかが変わる
  • 最初の仕入れを自己資金でまかなえる期間。締め型なら約2か月分
  • 扱う商材に許認可が必要か。必要なら取得の見込み時期
  • 独自ドメインが使えるか、データを書き出せるか
  • 無料プランで注文を1件通して、発送までの操作を確認したか

まとめ

個人がネットショップを開業するときのサービス選びは、次の順序で決めると迷いません。

まず、月商の見込みで月額0円か有料かを決めます。客単価5,000円なら月商10万円が最初の分かれ目です。ここを超える見込みがあるなら、最初から月額の低い有料プランで始めたほうが総額は安くなります。

次に、入金サイクルで絞ります。手元資金が薄いなら申請型、資金に余裕があって固定費を避けたいなら締め型です。締め型を選ぶ場合は、約2か月分の仕入れ資金を先に用意しておきます。

最後に、無料プランで注文を1件通してみて、発送までの操作を確認します。ここで違和感があるサービスは、注文が増えたときに必ず負担になります。

料金は改定されます。この記事の数字は2026年9月30日時点で各社の公式ページに記載されていたものです。契約前に必ず公式ページで確認してください。