BASEのかんたん海外販売は、国内の倉庫に送るだけで海外に売れる機能

かんたん海外販売は、BASEのショップに海外向けの専用カートを足す機能です。海外からショップにアクセスすると、自動で海外専用のカートが表示されます。2026年3月18日から、BASEのすべてのショップで使える標準機能になりました。

仕組みの要は、海外の購入者ではなく、国内の代行事業者が注文者になることです。代行事業者はwant.jp株式会社です。ショップから見ると、want.jpから国内の注文が入るのと同じ形になります。

かんたん海外販売の商品と手数料の流れ海外の購入者が海外専用カートで注文し、商品代金・国内送料・海外送料・代行手数料10%・決済手数料2〜3%を払う。ショップは東京都江東区のwant.jpの倉庫に国内発送し、国内の手数料に加えて利用料5%を引かれる。want.jpが検品と再梱包をして海外に発送し、関税は購入者が払う。海外の購入者商品代金+国内送料+海外送料代行手数料10%(500〜3,000円)決済手数料2〜3%・関税海外専用カートで注文want.jp(代行事業者)ショップには国内の注文として届く検品・再梱包・海外発送キャンセル・返品・問い合わせ注文データBASEのショップ国内の手数料+利用料5%東京都江東区の倉庫へ国内発送注文から20日以内に発送処理ショップがしなくてよいこと海外送料の設定・国際発送・通関海外の購入者とのやりとり

利用できる条件は2つです。BASEかんたん決済でクレジットカード決済が有効になっていることと、「年齢制限 App」を使っていないことです。条件を満たしていないと、設定をオンにしていても使えません。

海外の購入者は、主要なクレジットカードのほか、Google Pay・Apple Pay・PayPal・Alipay・WeChat Payで支払えます。配送できる国と地域は、2026年10月時点で130を超えています。

出典:BASE(「かんたん海外販売」について教えてください)/BASE株式会社(「かんたん海外販売」標準機能化のお知らせ)/want.jp株式会社(サービス提供状況)

BASEで海外に送る方法は2つ、海外のカードで買えるのはかんたん海外販売だけ

BASEのヘルプで海外への販売方法として案内されているのは、かんたん海外販売と、「送料詳細設定 App」で自分で海外に送る方法の2つです。「英語・外貨対応 App」は表示を切り替える機能で、これだけでは海外に売れません。

方法海外への発送海外発行のカード向いている店
かんたん海外販売want.jpが行う。ショップは国内の倉庫へ送る使える海外発送の手間をかけずに試したい店
送料詳細設定 Appで自分で送るショップが国ごとの送料を設定し、自分で送る使えない海外の常連客と、銀行振込やPayPalでやりとりできる店

自分で送る方法では、海外で発行されたクレジットカードが使えません。海外からの支払い方法は、国内発行のクレジットカード・Amazon Pay・PayPal・銀行振込に限られます。銀行振込の海外送金は入金の確認に時間がかかり、送金手数料は購入者の負担です。多くの海外の購入者にとって、カードで払えないことは買わない理由になります。

英語・外貨対応 Appで変わるのは、ショップの固定のテキストと、価格の目安の表示です。外貨は34種類から選べますが、概算の表示で、支払いは日本円のままです。商品名や商品説明はかんたん海外販売を使っても自動で英語にならないので、英語を併記するか、購入者にブラウザの翻訳を使ってもらうことになります。

以前は、2024年1月に始まった「海外販売代行 App」(月額980円)という別の機能もありました。現在のヘルプで海外発送の方法として案内されているのは、上の2つです。

出典:BASE(海外へ商品を発送することはできますか)/BASE(英語・外貨対応 App)/BASE株式会社(「海外販売代行 App」提供開始のお知らせ)

ショップの手数料は、国内の手数料に5%が加わる

かんたん海外販売の初期費用と月額費用は0円です。海外の注文が入ったときだけ、商品代金と国内送料の合計の5%が「かんたん海外販売利用料」として引かれます。

この5%は、国内の注文と同じ決済手数料とサービス利用料に上乗せされます。引かれるのは、商品を発送してステータスを「対応済」にしたときです。

プラン国内の注文かんたん海外販売の注文
スタンダード(月額0円)決済手数料3.6%+40円、サービス利用料3%11.6%+40円
グロース(年払いで月16,580円)決済手数料2.9%7.9%

商品代金と国内送料の合計が同じでも、注文1件で引かれる額は次のように変わります。

合計(商品代金+国内送料)スタンダード:国内スタンダード:海外グロース:海外
3,000円238円(7.9%)388円(12.9%)237円(7.9%)
5,000円370円(7.4%)620円(12.4%)395円(7.9%)
10,000円700円(7.0%)1,200円(12.0%)790円(7.9%)
30,000円2,020円(6.7%)3,520円(11.7%)2,370円(7.9%)

スタンダードプランでは、海外の注文は国内より5ポイント重くなります。グロースプランで海外に売ると、スタンダードプランの国内の注文とほぼ同じ率に収まります。

利用料は、管理画面の「お金」で「かんたん海外販売利用料」の項目として確認できます。プランの選び方や、国内の手数料の詳しい計算は別の記事にまとめています。

出典:BASE(料金・手数料)/BASE(「かんたん海外販売」の注文を確認・発送する方法を教えてください)

海外の購入者が払う額は、安い商品ほど割高になる

かんたん海外販売では、ショップよりも購入者のほうが多くの手数料を払います。海外専用カートでは、次の5つを合わせた額が表示されます。

  • 商品代金
  • 国内送料(ショップが設定した金額)
  • 海外送料(want.jpが海外に送る費用。国と配送方法で変わる)
  • 代行手数料(商品代金と国内送料の合計の10%。下限500円・上限3,000円)
  • 決済手数料(支払い額の合計の2〜3%。決済手段で変わる)
代行手数料には500円の下限があるため、合計が5,000円を下回ると、購入者の負担率は10%を超えます。
合計(商品代金+国内送料)代行手数料合計に対する割合
1,000円500円50%
2,000円500円25%
3,000円500円16.7%
5,000円500円10%
10,000円1,000円10%
30,000円3,000円10%
50,000円3,000円6%

この表には、海外送料と決済手数料がまだ入っていません。1,000円の雑貨を1点だけ買う人は、代行手数料だけで代金の半分にあたる500円を上乗せして払います。そのうえで海外送料もかかります。

単価の低い商品が多い店は、まとめ買いしやすい商品の組み合わせを作ると、購入者の負担率が下がります。代行手数料は注文ごとにかかるので、1回の注文で合計が5,000円を超えれば10%に収まります。

海外向けだけ価格を変えることはできない

海外専用カートの商品代金と国内送料には、ショップが国内向けに設定した金額がそのまま使われます。海外の注文だけ価格を上げて、5%の利用料を購入者に回すことはできません。

つまり、かんたん海外販売をオンにするかどうかは、5%を利益から吸収できるかで決まります。粗利が10%前後の商品をスタンダードプランのまま海外に売ると、利益の半分が利用料に消えます。

判断の目安

国内の価格のままで5%を引かれても利益が残るなら、オンにして反応を見る価値があります。残らない商品が多いなら、グロースプランへの切り替えか、国内価格そのものの見直しを先に検討してください。グロースプランの月額は年払いで16,580円なので、国内の売上も含めた月商で判断します。

国内送料の設定も、海外の注文の手取りに関わります。国内で送料無料にしている店は、海外の注文でもwant.jpの倉庫までの送料をショップが負担します。一方で、国内送料を受け取る設定なら、その送料にも5%がかかります。

オンにする前に確かめる4つのこと

かんたん海外販売の設定そのものは、管理画面で1か所にチェックを入れるだけです。ただ、オンにすると国内向けの商品がそのまま海外の購入者にも見えるので、先に商品ページを整えておきます。

  1. 利用の条件を満たしているか

    BASEかんたん決済でクレジットカード決済が有効になっていること、「年齢制限 App」を使っていないことを確認します。年齢制限 Appを使っている店は、かんたん海外販売を使えません。

  2. 商品説明で商品を特定できるか

    海外に送れるかどうかは、AIが商品名と商品説明から判定します。商品のカテゴリ(ネックレス・Tシャツなど)、用途、同梱物を書いておくことが必須です。重さ・サイズ・素材・原産国まであると判定の精度が上がります。説明が足りない商品は、海外に売れない扱いになります。

  3. 英語の説明を足すか

    商品名と商品説明は自動で英語になりません。海外の購入者に向けて、主な商品だけでも英語を併記しておくと伝わりやすくなります。

  4. 商品オプションを見直したか

    「商品オプション App」で設定した有料ラッピングや発送希望日は、海外専用カートにもそのまま表示されます。ラッピングは倉庫で処分され、発送希望日より発送期限が優先されます。海外の注文では対応できないオプションがあれば、説明文に書くか、設定を変えます。

確認が済んだら、ショップ管理画面の「ホーム」→「設定」→「ショップ情報」と進みます。かんたん海外販売の「利用する」にチェックを入れて保存すれば完了です。

注文が入ったら、want.jpの倉庫へ20日以内に送る

かんたん海外販売の注文は、通常の注文と同じ「注文」画面に表示されます。「さらに絞り込む」の「注文の種類」で「かんたん海外販売」を選ぶと、海外の注文だけを一覧にできます。

お届け先には、東京都江東区にあるwant.jpの倉庫の住所が表示されています。送り状には、住所だけでなく宛名も注文詳細の表示のとおりに書きます。宛名には注文を見分けるための文字列が入っていて、注文ごとに内容が違います。国内の発送なので、BASEの「かんたん発送」も使えます。

期限は2段階あります。

期限過ぎたらどうなるか
注文日から20日以内に発送処理(ステータスの変更)自動でキャンセルされ、メールで通知が届く
注文日から23日以内に倉庫へ到着倉庫で受け取りを確認できなければキャンセルされる

受注生産で発送まで3週間以上かかる商品は、この期限に収まりません。発送期限までに送れない商品は、かんたん海外販売の対象外です。

発送のしかたにも、国内の注文と違う決まりがあります。

発送前に確認すること

  • 1つの注文は1回で発送し、複数の商品は1つの箱にまとめる
  • 別の注文同士を同じ箱に入れない。同じ購入者でも注文ごとに分ける
  • 冷蔵便・冷凍便・着払いでは送らない。キャンセルの対象になる
  • 段ボールなどの箱を使わない配送方法(大型家具向けの配送など)は使わない
  • ギフトラッピングをしない。倉庫で再梱包され、外箱や包装紙は処分される
  • 同梱するのはお礼状・ショップカード・パンフレット・ステッカーなどの紙類だけにする

おまけや試供品を入れると、その荷物は海外に発送できなくなります。国内向けにサンプルを同梱する習慣がある店は、海外の注文で入れないよう梱包の手順を分けてください。商品本体の化粧箱・ブランドタグ・取扱説明書や保証書は、できるかぎり届けられます。

出典:BASE(「かんたん海外販売」の発送時に注意することを教えてください)/BASE(「かんたん海外販売」でも、「商品オプション App」を利用できますか)

海外に売れない商品は自動で外れ、ショップが選んで外すことはできない

海外に売る商品は、ショップが選べません。販売できない商品はAIの判定で自動的に対象外になり、それ以外の商品はすべて海外の購入者が買える状態になります。販売する国や地域も指定できません。

理由販売できない商品の例
商品の形式予約販売・抽選販売・デジタルコンテンツ・定期便・テイクアウトの商品
商品の状態在庫切れ・販売期間外・サービスや体験・福袋など中身が分からない商品・説明が足りない商品
配送の条件発送期限までに送れない商品・着払い・冷蔵便や冷凍便で送る商品
禁制品・規制品医薬品・医療機器・サプリメント・サングラス・刃物などの危険物・宝石や原石・生き物や植物
サイズ・重さ・金額一辺100cmか三辺合計200cmを超える商品・20kgを超える商品・商品代金の合計が30万円を超える注文

食品・飲料・コスメ・液体は、内容によっては販売できます。常温で保存できる食品やソフトドリンクなどは対象になりえますが、アルコール飲料・スプレー缶・香水などは販売できません。判定の結果は配送の条件の変更で変わることがあるため、最新の一覧はwant.jpのサービス提供状況で確認します。

AIの判定をすり抜けて、本来は送れない商品が買われることもあります。その場合、注文はキャンセルされます。発送済みであれば、商品の返送と送料の返金について別に案内が届きます。

特定の商品だけ海外に売りたくない場合、個別に外す設定はありません。機能そのものをオフにするしかないので、海外に出したくない商品があるかを、オンにする前に考えておきます。

出典:BASE(「かんたん海外販売」で販売できない商品について教えてください)

キャンセル・返品・問い合わせはwant.jpが受ける

海外の購入者からのキャンセル・返品・問い合わせには、want.jpが対応します。商品が倉庫に届いた時点でwant.jpが中身を確認し、不備があればwant.jpからショップに連絡が来ます。

その裏返しで、ショップから海外の購入者に直接連絡することはできません。ショップが確認できるのは、配送先の国名と州・地域名までです。購入者から直接連絡が届いた場合は、want.jpの問い合わせ窓口を案内します。BASEのヘルプには、案内に使える英語の文面が用意されています。

注意したいのは、注文の一部だけを変えられないことです。

部分キャンセルと金額の変更はできない

複数の商品を含む注文で一部だけをキャンセルすると、ほかの商品を発送したあとでも注文全体がキャンセルになります。BASEの管理画面で金額を変えても、海外の購入者が払う額は変わりません。一部の商品を取り消すときや金額を直すときは、注文全体をキャンセルして、購入者に注文し直してもらいます。

在庫が足りないときに一部だけ送って残りを返金する対応は、かんたん海外販売ではできません。在庫の数を正確に保っておくことが、キャンセルを防ぐいちばんの方法です。

出典:BASE(海外の購入者から、直接連絡が届いた場合はどうすればいいですか)

関税は購入者の負担、消費税の還付は受けられない

関税は、購入者の負担です。ショップが関税の手続きをする必要はありません。購入者が関税を払う方法は、配送先の国と配送方法によって変わります。

税金で見落としやすいのは、消費税のほうです。かんたん海外販売の注文は国内の代行事業者が注文者になるので、国内の注文と同じ扱いになります。自分で海外に輸出するときと違い、仕入れにかかった消費税の還付は受けられません。輸出の手続きは、代行事業者が主体になって行います。

海外の注文が増えてきて、自分で輸出する形に切り替えるかを考える段階になったら、輸出のときの消費税の扱いも比べておくと判断しやすくなります。輸出の消費税と関税の仕組みは別の記事で解説しています。

海外の注文が続くようになったら、ほかの方法と比べる

かんたん海外販売は、固定費をかけずに海外の反応を見られる方法です。一方で、注文1件あたりの手数料は自社サイト型より高く、購入者の負担も大きくなります。

海外の注文が毎月続くようになったら、1件あたりの手数料が低い方法と比べる時期です。客単価5,000円で比べると、月の注文が11件まではかんたん海外販売、12件からはShopifyのBasicプランのほうが手数料と固定費の合計が少なくなります。比較の詳しい計算は、次の記事にまとめています。

まとめ

BASEのかんたん海外販売の要点

  • ショップは東京都江東区のwant.jpの倉庫に送るだけで、海外発送・関税・問い合わせはwant.jpが担う
  • ショップの手数料は国内の手数料に5%が加わり、スタンダードで11.6%+40円、グロースで7.9%
  • 購入者は海外送料と代行手数料10%(下限500円)を払うため、合計が5,000円未満だと割高になる
  • 海外向けだけ価格は変えられないので、5%を利益から吸収できるかで判断する
  • 注文から20日以内に発送処理をし、ラッピングとおまけの同梱はしない
  • 売る商品や国は選べず、外したい商品があれば機能ごとオフにする

料金と条件は2026年10月時点の公式情報です。手数料や販売できない商品は改定されることがあるため、オンにする前にBASEのヘルプとwant.jpのサービス提供状況で最新の内容を確認してください。