ハンドメイド販売サイトは「マーケット型」と「ショップ型」の2種類

ハンドメイド作品をネットで売る場所は、大きく2種類に分かれます。作品を探す人が集まるマーケットに出品する方法と、自分のネットショップを開く方法です。

種類主なサービスお客さんの来かた手数料の水準
マーケット型minne・Creema・iichi・メルカリマーケットの検索やおすすめから来る10%前後(iichiは20%)
ショップ型BASE・STORESSNSやリピーターなど、自分で連れてくる5.5%(STORES)、6.6%+40円(BASE)

マーケット型は手数料が高い代わりに、集客をマーケットが担います。ショップ型は手数料が安い代わりに、お客さんを自分で連れてくる必要があります。どちらが得かは手数料の差ではなく、自分の作品を買う人がどこから来るかで決まります。

この記事では、マーケット型4サービスとショップ型2サービスを比べます。ショップ型は月額0円のプラン(BASEのスタンダードプラン、STORESのフリープラン)で比べています。

主要6サービスの手数料と入金の条件

6サービスとも、登録や出品に費用はかかりません。費用がかかるのは、作品が売れたときと、売上を口座に振り込むときの2回です。

サービス売れたときの手数料(税込)手数料の対象振込手数料入金のタイミング
minne10.659%作品+オプション+送料220円月末締め、翌月末に自動で振込
Creema10.67%作品+オプション+ラッピング+送料3万円未満は200円、3万円以上は275円振込申請した月の翌月末
iichi20%作品代金(送料を除く)160円月末締め、翌月20日に振込
メルカリ10%販売価格200円振込申請ごと
BASE(スタンダード)6.6%+40円商品+送料250円(申請額2万円未満は事務手数料500円を追加)振込申請から10営業日
STORES(フリー)5.5%商品+送料275円(入金額1万円未満は翌月以降に繰り越し)月末締め、翌月末に振込

いずれも2026年10月時点の公式ページの記載です。料金は改定されることがあるため、出品前に各サービスの公式ページで確認してください。

表の料率を読むときに押さえておきたい点が3つあります。

  • minne・Creema・BASE・STORESは、送料にも手数料がかかる
  • iichiは送料を除いた作品代金にかかる。そのぶん料率は20%と高い
  • メルカリは販売価格にかかる。送料込みで出品するなら、送料分も対象に入る

Creemaは2025年11月5日の注文から手数料の仕組みを変えています。それまでは送料を含まない作品価格に11%でした。いまは送料を含む決済総額に10.67%です。送料を別に受け取っている作家ほど、改定前より手数料の対象が広がっています。

BASEとSTORESは、PayPayなど一部の決済方法で支払われると料率が1ポイント上がります。表はクレジットカード決済の料率です。

出典:minne(販売手数料について・売上金の振込について)/Creema(出店プランについて・成約手数料・売上の振込手数料改定についてのお知らせ・利用規約)/iichi(出店や出品に伴う手数料、成約手数料について・売上金の受け取り・銀行口座設定方法)/メルカリ(メルカリの手数料)/BASE(料金プラン・振込申請時に手数料はかかりますか)/STORES(ネットショップの料金プラン・売上はいつ振り込まれますか?)

同じ作品が売れたときの手取りを比べる

料率だけを並べても、送料の扱いと固定額の違いで実際の差は見えにくくなります。そこで、同じ注文が1件入ったときに引かれる手数料を計算しました。振込手数料は月にまとめてかかるため、ここでは含めていません。

サービス作品800円+送料200円作品2,000円+送料300円作品5,000円+送料300円
minne106円245円564円
Creema107円245円566円
iichi160円400円1,000円
メルカリ100円230円530円
BASE(スタンダード)106円192円390円
STORES(フリー)55円127円292円

メルカリは送料込みで出品した場合の計算です。1円未満の端数の扱いはサービスごとに異なるため、実際の明細とは1円ほどずれることがあります。

作品2,000円+送料300円の注文1件で引かれる手数料送料込み2,300円の注文1件で引かれる手数料。iichiが400円で最も高く、minneとCreemaが245円、メルカリが230円、BASEのスタンダードプランが192円、STORESのフリープランが127円。マーケット型はiichiを除いて230円から245円に並び、ショップ型はそれより安い。送料込み2,300円の注文1件で引かれる手数料マーケット型ショップ型iichi400円minne245円Creema245円メルカリ230円BASE192円STORES127円BASEはスタンダード、STORESはフリープラン振込手数料は含まない。クレジットカード決済の場合

作品2,000円の注文で比べると、手取りはSTORESが2,173円、iichiが1,900円です。同じ作品でも、売る場所によって1件あたり273円の差がつきます。

マーケット型のうちminne・Creema・メルカリの3つは、差が15円以内に収まります。マーケット型どうしで選ぶなら、手数料はほぼ判断材料になりません。

iichiだけは、作品の価格が上がるほど差が開きます。作品5,000円では1,000円で、minneの1.8倍です。送料が手数料の対象外なので、作品が安く送料の割合が大きいほど、実質の負担は20%より下がります。

ショップ型のBASEは、1注文ごとに40円の固定額がかかります。送料込みで約986円を下回る注文では、minneより手数料が高くなります。アクセサリーパーツやステッカーのように単価の低い作品が中心なら、この点を見落とさないでください。

売上が少ない月は、振込の固定費で順位が入れ替わる

振込手数料は売上の額にかかわらず、1回ごとに定額でかかります。そのため売上が少ない月ほど、手取りに占める割合が大きくなります。作品2,000円+送料300円の注文が月に何件入るかで、手数料と振込手数料の合計を比べました。

サービス月1件(売上2,300円)月5件(売上11,500円)月20件(売上46,000円)
minne465円(20.2%)1,445円(12.6%)5,120円(11.1%)
Creema445円(19.3%)1,425円(12.4%)5,175円(11.2%)
iichi560円(24.3%)2,160円(18.8%)8,160円(17.7%)
メルカリ430円(18.7%)1,350円(11.7%)4,800円(10.4%)
BASE(スタンダード)942円(41.0%)1,710円(14.9%)4,090円(8.9%)
STORES(フリー)127円(振込は翌月以降に繰り越し)910円(7.9%)2,815円(6.1%)

かっこ内は売上に対する割合です。Creema・メルカリ・BASEは毎月1回、振込申請するものとして計算しています。

月1件のとき、BASEの負担は売上の4割に達します。振込申請額が2万円に届かず、振込手数料250円に事務手数料500円が加わるためです。BASEは申請のタイミングを自分で選べるので、売上残高が2万円を超えるまでためてから申請すれば、事務手数料はかかりません。

STORESは、手数料を引いた入金額が1万円に届かない月は振込が翌月以降に持ち越されます。持ち越しなら振込手数料はかかりません。一方で、売上が手元に届くのは1万円を超えた月の翌月末になります。

マーケット型は、売上が少ない月でも順位があまり動きません。minneとiichiは毎月自動で振り込まれ、Creemaとメルカリは申請するたびに振り込まれます。月の売上が数千円のうちは、手数料の安いショップ型を選んでも、マーケット型より手取りが多くなるとは限りません。

マーケット型4サービスの違い

手数料がほぼ並ぶ以上、マーケット型の選択は売り方の違いで決まります。ここでは手数料以外の違いを、公式情報から確認できる範囲で整理します。

minne

minneはハンドメイド作品のマーケットです。売上は月末締めで、翌月末に自動で振り込まれます。振込申請をする必要がありません。

売上が確定するのは、注文を受けた日ではなく発送完了メールを送った日です。月末ぎりぎりに発送の連絡をすると、その注文は翌月の売上になり、入金も1か月遅れます。売上の合計が1,000円に満たない月は翌月に繰り越され、振込手数料はかかりません。

有料会員のminne PLUSに入ると、販売手数料が最大10.45%まで下がります。ただし手数料の差額だけで月額の元を取るには、月商100万円を超える売上が必要です。

Creema

Creemaもハンドメイド作品のマーケットで、手数料はminneとほぼ同じです。違いは売上の受け取り方にあります。

Creemaは自分で振込申請をする方式で、申請した月の翌月末に振り込まれます。申請しないままでも、売上の計上から5か月を過ぎると6か月目の末日までに振り込まれます。振込手数料は申請額が3万円未満なら200円、3万円以上なら275円です。

Creemaには中国語版のサイトがあり、台湾・香港の購入者に向けて販売できます。こちらの手数料は国内向けと別で、決済総額の21%(税込)と1取引あたり42円です。

iichi

iichiは、日々の暮らしを心地よくするハンドメイドやアンティークを扱うマーケットです。手数料は作品代金の20%で、6サービスの中で最も高くなります。

その代わり送料は手数料の対象外です。振込手数料も160円と最も安く、売上は月末締めで翌月20日に振り込まれます。翌月末に振り込まれるminneや、申請した月の翌月末に振り込まれるCreemaより、売上が10日ほど早く届きます。

手数料の負担が大きいため、iichiを使うなら価格を20%の手数料込みで設計できる作品に向きます。

メルカリ

メルカリはハンドメイド専門ではなく、さまざまな品物が出品されるフリマアプリです。手数料は販売価格の10%で、マーケット型の中では最も低くなります。

購入者は、ハンドメイド作品を探しに来ているとは限りません。メルカリで売れ始めた作家がminneやCreemaに移っても、手数料は0.7ポイントほどしか上がりません。ハンドメイドを目当てに来る購入者に見つけてもらいたいなら、専門のマーケットに出品する価値があります。

出典:minne(売上金の振込について)/Creema(利用規約・出店プランについて)/iichi(トップページ・売上金の受け取り・銀行口座設定方法)/メルカリ(振込申請とは)

はじめての出品は、マーケット型から始める

まだ作品を売ったことがないなら、マーケット型から始めるのが損をしにくい順番です。理由は2つあります。

1つ目は、売れるかどうかを集客の手間なしに確かめられることです。ショップ型は開いただけでは誰にも見つけてもらえません。最初の注文を取るまでに、SNSの発信や広告が必要になります。マーケット型なら、作品を探している人の目に、出品したその日から触れます。

2つ目は、売上が少ないうちは手数料の差が小さいことです。月5件の計算では、むしろBASEのほうがminneより265円多くかかっていました。月20件でもminneとの差は1,030円です。この金額は、集客のためにかける時間や広告費よりずっと小さくなります。

迷ったら

はじめての出品先は、minneかCreemaのどちらかから選んでください。手数料の差は1件あたり数円で、決め手になりません。振込申請の手間を省きたいならminneです。売上は毎月自動で振り込まれ、1,000円に満たない月は振込手数料もかかりません。

どちらが自分の作品に合うか判断できないときは、両方に出品して、売れ方を見て絞る方法もあります。どちらも出品に費用はかかりません。

自分のショップを足すのは、指名で買う人が出てきてから

マーケットで売れ始めたら、次は自分のショップを足すかどうかの判断になります。目安は、マーケットの外から来るお客さんがいるかどうかです。

自分のショップを足してよいサイン

  • SNSのフォロワーやイベントで知り合った人から、直接注文の相談が来る
  • 同じお客さんから2回以上注文を受けている
  • 1注文の金額が2,000円を超える作品が中心
  • 月の売上が、BASEなら2万円、STORESなら1万円を安定して超えている

最後の項目は、前の章の振込の固定費から来ています。売上がこの額を下回る月が続くと、ショップ型でも事務手数料がかかるか、入金が先に延びます。

ショップ型を足すときは、マーケットをやめる必要はありません。BASEのスタンダードプランもSTORESのフリープランも月額0円なので、開いておくだけなら固定費はかかりません。マーケットからの注文はマーケットで受け、自分で連れてきたお客さんの注文だけをショップで受ければ、手数料の差がそのまま手元に残ります。

BASEとSTORESのどちらにするかは、手数料と入金の早さのどちらを優先するかで分かれます。STORESのフリープランは料率が5.5%と低く、BASEのスタンダードプランは振込申請から10営業日で入金されます。それぞれの手数料の計算は個別の記事にまとめています。

ショップ型では、集客を自分で行う必要があります。開いた直後に何から手をつけるかは、集客の記事で順番を整理しています。

複数のサイトで同時に売るときの注意

マーケットとショップ、あるいはマーケットどうしを併用するときは、次の3点を決めておくと揉めにくくなります。

  • 一点ものの作品は、1つのサイトにだけ出す。同時に売れると、どちらかの注文をキャンセルすることになる
  • 在庫のある作品は、売れたら他のサイトの在庫もすぐに減らす
  • マーケットの取引メッセージで自分のショップに誘導してよいかは、各マーケットの規約を確認する

自分のショップへの導線は、SNSのプロフィールや、イベントで渡すショップカードなど、マーケットの外に置くのが基本です。

海外に売りたい場合の選択肢

国内のサービスのまま海外に売る方法は、6サービスの中では2つあります。

サービス販売できる先ショップ側の手数料
Creema(中国語版)台湾・香港決済総額の21%(税込)+1取引あたり42円
BASE(かんたん海外販売)海外の購入者通常の手数料+商品代金と国内送料の合計の5%

BASEのかんたん海外販売では、海外への発送を代行事業者が行います。ショップ側は国内に発送するだけで済みます。どちらも国内向けより手数料が上がるため、海外向けの価格は国内とは別に設計してください。

出典:Creema(出店プランについて)/BASE(かんたん海外販売について教えてください)

まとめ

ハンドメイド販売サイトは、集客をマーケットに任せるマーケット型と、自分で集客するショップ型に分かれます。手数料はショップ型のほうが安くなりますが、売上が少ないうちは振込の固定費で差が縮み、逆転することもあります。

  • minne(10.659%)・Creema(10.67%)・メルカリ(10%)の手数料はほぼ同じ。iichiは送料を除く作品代金の20%
  • 作品2,000円+送料300円の注文1件で、手取りはSTORESが2,173円、iichiが1,900円
  • 月1件の売上でBASEに振込申請すると、事務手数料を含めて売上の4割が引かれる
  • はじめての出品はminneかCreemaから。振込申請の手間を省くならminne
  • 指名で買うお客さんが出てきたら、月額0円のショップを足して、その注文から受ける

手数料の安さは、自分でお客さんを連れてこられるようになって初めて手元に残ります。まずはマーケットで作品が売れるかを確かめ、売れ方を見てから次の場所を足してください。